こちらの記事では、イラストをより簡単に魅力的にする事ができる、「構図・レイアウト」について解説しています。
- 中々いいねがもらえない..
- 簡単に魅力的にみせる方法はないのか?
- プロのイラストがなぜあんなに魅力的なのか気になる..
いいねがもらえないというのはさまざまな理由が考えられますが、せっかく投稿したのにも関わらず反応がないと悲しいですよね。
その原因の一つとして構図やレイアウトが機能していないという問題が挙げられます。
一方でプロの作品はぱっと見ただけで魅力的な作品だとよく分かります。
それは魅力的に見せるために、自分の伝えたいテーマに対してどんな構図が適切かを考え、キャラクターやオブジェクトなどを配置しているから。
つまり構図を理解することで自分が伝えたいことを的確に伝えることが可能になります。
これは僕の個人的な見解だけでなく数多くの書籍や、現在在籍している大学での授業においても何度も繰り返し言われていることです。
プロは例外なく構図を意識しています。
前回分割系の構図をお伝えしました。([構図とレイアウト]簡単に魅力的に見えちゃう構図の型を3つご紹介!)今回は視線誘導系と呼ばれる3つの型をご紹介します!
こちらの記事を読んでいただき、それらの構図の形式やパターンを理解してぜひ自身の作品に転用してみてください。 そうすることできっとあなたのイラストもより魅力的で伝わる絵になると思います。
構図・レイアウトについて解説
- 構図とレイアウトってそもそも何なの?
- あんまりよく分からない…
といった方に少しだけ説明をさせていただきますね。
- 構図
-
伝えるために最適な見せ方を考え要素をフレーム内に収めること
- レイアウト
-
より伝えたいことを伝えるために、フレーム内の要素を目的に合わせて配置すること
つまり簡単に言うと、伝えるために必要なものを選び 情報に優先順位をつけるということです。 何を目立たせたいのか目的に合わせて 強調させたいものをより目立つ場所に置いたり、視線をメインサブそれ以外の順番で動くように設定したりと、こうした視線誘導等よりイラストを見やすくするために構図やレイアウトが使われている。
どんな順番で見るとより自分が伝えたいことが伝わるのかを考える
- 構図は味付け
- レイアウトは盛り付け
しっかり味付けを整え、盛り付けを綺麗にすることでより美味しく感じることができますよね?
それと同じようにイラストも構図やレイアウトをしっかり考慮することで魅力的な作品に仕上げることができます。
「視線誘導系」と呼ばれる3つの型
- 放射線構図
- 額縁構図
- アルファベット構図
この3つがいわゆる視線誘導構図と呼ばれる種類に当たります。聞き慣れないものもあるかと思いますが、見てみると「これよく使われてるかも」と思われるかもしれません。
それくらいよく使われる構図でもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
ではそれぞれ解説していきます。
放射線構図
- 集中線の中心に視線が集まる
- 簡単に奥行きが表現できる
- 日の丸構図のように引き立たせる

一例

文字通り放射線なので集中線のような構図になります。そしてその集中線の中心に向かって目線が流れるように向かっていきます。
- キャラクターに向かって放射線構図を使い、そのライン上に武器などを配置しバトルシーンを演出する
- エフェクト(魔法等)などを放射線構図で配置し、その中心にあるキャラクターに視線誘導させる
その線を利用して、線上にオブジェクトをサイズを変えて配置していくことによって、奥行きを表現することができます。
また日の丸構図のように中心に集中線を配置することによって、ドンと真ん中にオブジェクトを置き、強調させることができます。
額縁構図
- 際立たせる
- 引き立つ
- 強調させる

一例

額縁のようにオブジェクトを囲うことで視線が向かい、その中の要素が引き立てられ強調される構図です。例えば窓から見る景色と何も遮るものがない状態で見る景色とでは伝わる印象が少し違って見えると思います。
それはフレームで囲まれることによってその中にあるモノに目線が向かい、より際立って見えるためです。
- 人混みの中にメインとなるキャラクターを配置する(人混み=額縁の役割)
- ハイニーソックスと短めのスカートで絶対領域を作る(ソックスとスカートのフレームにより色気が強調される)
ちなみに葛飾北斎の富岳三十六景「奥州富士三原」では樽職人が作る大きな樽の輪の中に富士山が描かれています。あれもこうした額縁構図の効果で富士山に目線が向かうようになっています。
またフレームの形は□だけではなく○、△、はたまた森の木々の間から覗くお月さまのように、形にとらわれることなく様々な使い方が可能です。
アルファベット構図(SCZ)
- CSZのライン
- よく使われるS字ライン
- より豊かに見せることが出来る

一例

その名の通りアルファベットの形をもとにシルエット配置したり、オブジェクトをライン上に配置するなど、流れを意識した構図となります。
- 女の子の髪をS字ラインを意識して描く
- 女性らしいポーズを描くためにS字ラインを意識する
- Z字ラインを意識してそのライン上にキャラクターの顔を向かい合わせで描き、バトルシーンなどを描く
上記でも書きましたが、女性の髪の毛の流れや、ポージングなどでよくS字のラインが使われていることがあります。
より魅力的で豊かな表現が可能になります!
スマホを使った練習方法
やはり実際に描いてみるということが最も覚える上で効果的なのは間違いないのですが、しかしそれがめんどくさいと感じる、ちょっといきなりは難しいと感じる方いらっしゃると思います。
ですが安心してください。実はスマホのある機能を使って簡単に構図感覚を鍛えることができるんです。
それは、
カメラを使って写真を撮ること!
- 写真を取る際は構図やレイアウトを意識しながら撮る
- 何を目立たせたいのかを意識する
- 目立たせるためにはどんな構図にすればいいか考えて撮る
これだけでもしっかり構図感覚を身に付けることができます。これは京都芸術大学の講師もされている斎藤拓也先生がおっしゃっていたことで、手軽に構図感覚を鍛えることができるのでおすすめです。
まとめ
① 最後に、ご紹介した内容をおさらいしてきましょう。
- 構図やレイアウトを理解すると、何を目立たせたいのか優先順位を付けることができる!
- 何を伝えたいのか?が明確になってより相手に伝わるイラストになる!
- つまりより魅力的に感じるイラストになる!
ステップ1:放射線構図「集中線のように中心に目線が行きやすくなる。またライン上に要素を配置することで、うごきのあるイラストにすることが出来る」
ステップ2:額縁構図「窓枠やフレームように何かに囲まれると、その中の要素が強調されて見える」
ステップ3:アルファベット構図「CSZなどのアルファベットのラインを意識することで、髪の毛など動きのある豊かな表現にする事ができる」
② いかがだったでしょうか?初心者の方でも簡単に取り入れられるものばかりだと思います。
ただ、構図やレイアウトはあくまで表現のための道具(ツール)だということを忘れないでください。構図ありきではなく、
「自分が伝えたいもののために構図・レイアウトを使う」です。
こうした構図・レイアウトの知識を取り入れることによって、あなたのイラストもより魅力的なものになるはず!ぜひお試しください!
長くなりましたが、構図レイアウト他にも記事を書いておりますので、そちらもチェックしてみてください。ありがとうございました^_^
