こちらの記事では、イラストにおける手の描き方や効果的な捉え方や手順、また手の特徴やコツについても詳しく解説しています。
- 手を描くのが苦手
- 色んな角度の手が描けるようになりたい
- 手の描き方や手順が知りたい
今回ご紹介する三つの捉え方と手の特徴を理解することで、きれいな手はもとより、多くの魅力的な手や様々なポーズの手を描いたり、何よりあなたの手に対する抵抗感を和らげてくれるはず!
ちなみになぜ手を描くのが難しいかと言うと、理由は「構造が複雑で様々なポーズが存在するため」です。
この問題の解決方法は「単純化すること」なんですが、一つだけの捉え方では様々な角度やポーズが存在する手を捉えきれません。
そこで、
- 平面
- 立体
- シルエット
という3つの捉え方をご紹介していきます。
これらの捉え方を学ぶことでざまざまな角度に対応でき、あなたの描きたかったこんな手やあんな手を描くことが出来るようになると思います。
上記は1年前に描いたものと今のイラストを比較したものです。自分で言うのも何ですが、立体的な描写と手の特徴を理解したことによって説得力やらしさが出ているかと思います。(※もちろん、1年の間に継続して描いてきたという経験も上達を後押ししている要因の一つ)
ただ描き方や特徴を理解しているのといないのとでは、その成長スピードに差が出ます。
後半では手の特徴についても解説しているのですが、こちらも手を描く上で重要な要素になります。というのも人はよく知らないものは描けないので、しっかり手について理解しておくことでより簡単にかけるようになります。
なのでそちらもしっかり学んで、あなたのイラストにぜひ役立ててみてください。
3つの捉え方
- まずは平面で捉えられるか検討する
- 指の付け根が見える角度なら立体で捉えてみる
- シルエットは平面や立体どちらの捉え方で描いたとしても意識しておくと良い
平面で捉える
これは文字通り平面的な図形などに置き換えて手を捉えるという方法です。
例えば「手の甲は五角形に見える」や、「手の指を扇形で捉える」といった具合です。手を取られる際はまずこの平面で捉えられるかどうかを考えてみましょう。
もし平面で捉えるのが難しいなと感じるのであれば、無理に平面的に捉えようとせず違う捉え方を試してみる方が良いと思います。
立体で捉える
立体的に捉える目安として指の付け根の奥行きなどが見えるといった場合などに こうした捉え方をしたほうが描きやすくなったりします。
しっかりと面を意識しながら描くのがポイントです。
慣れるまでは難しいかもですが、立体的に捉えられると他のパーツを描く際にも応用できるのでオススメです。
シルエットで捉える
こちらは平面でも立体でも捉えにくいなと感じるポーズや角度の場合に使ってみると良い捉え方です。
慣れないうちは写真などをトレースし手のシルエットを取り、上記のイラストのように指や隙間の部分を色分けして、それらの形を意識しながら描くと良いと思います。
この捉え方は、 平面や立体で捉える際も意識しておくとより綺麗な手を描くことができます 。
指の描き方
- 各順番は手前のものから描いていく(指に限らず)
- 食い込みを意識して描く
- まず外側のアウトラインから描く(3本のライン)
- 手前にあるものから描いていく(上記の場合指先から)
- 手前の線が奥側にある線に食い込むように描く
指の関節は第一関節、第二関節、第三関節の3つある。ちなみに間違えやすいポイントとして、第三関節の位置は手のひらや甲の境目ではなく、手のひらと甲に食い込んでいる(指尖球の位置)
これによって、第三関節を曲げる際は手のひらの上部も一緒に折れ曲がる。(握りこぶしを作ると、手を開いているときの手のひらよりも小さくなる)
シワの特徴
- 指のシワは等間隔で入っている
- 手のひらのシワは基本の3つのシワを描けばOK
指
- 手の甲に関してもシワは等間隔についている
- ただし、第三関節と呼ばれる指の付け根の部分は手のひらの内側に食い込んでいるため、指を曲げた際シワができるのは指の堺ではなく、手のひらの上部に出来る
てのひら
- もちろん人によってシワの出来方は違うが、デフォルメする場合は基本のこの3つのシワを描いておくとらしく見える
その他覚えておくと便利な手の特徴
- 手の3つの膨らみを理解して、らしさに磨きをかけよう
- 水かきによって手のひらと甲の指の見え方がちがう
- 男性は直線的、女性は曲線的といった違いがある
3つのふくらみ
- 名前は必ずしも覚える必要はない
- こうした膨らみがあることを知っていれば、シルエットをきれいに見せることが出来る
水かき
- 手の甲と手のひらの見え方の違いを意識する
- 些細な違いではあるが、こうした違いを認識しておくとクオリティに差が出る
男・女それぞれの手の特徴
- 男性と女性の手はそれぞれ特徴が違う
- 大まかにいうと男性は直線的、女性は曲線的
- 描きすぎると情報量が多くなりうるさい絵になるため、シワなど簡略化も大事
男性の手
- ゴツゴツとした印象
- シャープな部分と柔らかい部分のメリハリをつける
- 尺骨の出っ張りや関節、総指伸筋の筋や溝などを描き入れるとそれっぽくなる
女性の手
- 柔らかい印象
- 指は細めで指先は尖り気味に描く
- 卵型をイメージ
- 関節や節の表現を簡略化
- 小指などに演技をつけると、女性らしい繊細さを表現できる
まとめ:3つの捉え方と手の特徴を理解すれば怖いものなし!
- 描く際は3つの捉え方(平面・立体・シルエット)で描いてみる
- シルエットは他の平面や立体の捉え方でも意識しておくと良い
- 指を描く際は、アウトラインから描いて順番は手前のものから描く
- 手のひらのふくらみ(指尖球・小指球・拇指球)を覚える
- 手のひらのシワはとりあえず3つの基本シワを捉える
- 男性(直線的)と女性(曲線的)といった、性別による手の特徴の違いを把握する
手は何もない状態で描くと複雑故に描くのが難しいパーツですが、しっかり型を学んで当てはめながら描くことで、グッと描きやすくなります。
ぜひ皆さんも今回ご紹介した3つの捉え方を実践して、魅力的な手を描いてみてください。また手以外にも言えることですが、何か描きたいものがある場合はそのものについてよく理解することが、上達する上で重要になりますので、
そちらも覚えておいていただけると、きっと今よりもさらに絵が上手くなると思います。
記事をお読みいただきありがとうございました。