今回は、配色が苦手な方や自分には配色のセンスがないと思っている方に向けて、どうすれば配色が上手くなるのかその方法ついてお話したいと思います。
- 配色が決まらない
- いつも色選びに迷う
- 好きなアーティストさんの配色を取り入れたい
結論を言うと、「配色はセンスではなくロジックです」
つまり、感覚的に色のバランスや比率がわからなくても「大丈夫」だということです。
あとからいくらでも勉強し、身につけることが可能です。
※こちらは僕が実際にペイントソフトを使って色彩分析を行った時のツイートです。こちらのやり方は「無料で鍛える、お手軽簡単な色彩感覚トレーニングとは!?」まで。また簡易的なアプリを使った方法は、こちらの記事の中盤でお伝えします。
この記事では、具体的なセンスの磨き方と手っ取り早くイラストに落とし込むための方法、また日々の取り組み方についてお話しています。
こちらを読んで実践していただければ、あなたもきっとイラストを描く際、自信を持って色を置けるようになるはず!
※記事の途中で、僕が実際に勉強をしたあと取り組んだ作品についてもご紹介してますので、よかったらさんこうにしてみてください。
手っ取り早くプロっぽい配色をしたいなら「本」を参考に!
自信がない方や、いちいち配色を組み立てるのが面倒な方は、配色パターンの本を手に取りそれを真似ることをオススメします。これなら、配色が苦手な人でもテーマに合わせて色を選択するだけでいいので、迷わず色を置くことができますよね。
今はたくさんの書籍や配色に関するサイトが有り、それらを参考にすることで簡単にプロのような配色にすることが出来ます!
しかもただ闇雲に色を置くのではなく、参照しながらちゃんと理論に基づいて配置していくことで勉強にもなります。
初心者の方はまずこうした先人たちの知恵を借りて、どんどん自分の作品に応用していくと良いと思います。そのほうが負担なく始められますし、無理なく学べるんじゃないかなと。
おすすめ本やサイト
とはいえ、数多くあるサイトや書籍、何を選んでいいかわからないという方もいらっしゃると思いますので、あくまで参考にですが、ご紹介したいと思います。
- カジュアル
- ロマンチック
- フレッシュ
- ナチュラル
- ミステリアス
など他にもたくさんの配色パターンの見本があり、これ一冊でだいたいのテーマに合う配色パターンを見つけられるんじゃないかなと思います。それぞれのイメージを伝えるには、どう配色すればいいのかがすぐに分かります。
配色に迷ったときは、この本をみて色を決めるのも全然アリですね。
PALETTELISTは、予め用意されたパレット内にある2色を選ぶことで簡単にそれらに合う色のパターンをいくつか提案してくれるサイトです。テーマにする色が決まっている場合に便利な機能だと思います。
SCHEMECOLORは、検索窓に自分が探しているテーマに関する言葉を入力することで、それに関連するイメージの近い配色パターンを表示してくれるサイトです。例えばcool(クール)といった単語を入れることで、それに合う配色を提案してくれます。※ただし、海外のサイトのため英語で入力する必要があります。
あとはそこから得た配色パターンを元に、そのまま使ってもよし、色相やトーン(明度と彩度の組み合わせ)を微調整して色数を増やしてもよし。
これだけは押さえておきたい「基礎知識」
とりあえず上記のような本やサイトを利用すれば、そこまで知識がなくてもある程度直感的に配色を組み立てられると思います。
しかし自分なりの配色の組み立てやもっと色について学びたいと言う方は、最低限覚えておきたい3つのポイントがあります。それは、
- 色相
- 彩度
- 明度
それぞれどういったものなのか、どんな特徴があるのかを理解しておくことで、より配色についても検討しやすくなります。
色相
これは、簡単に言うと色の種類ですね。色相環という全部で12〜24種類で構成される色数を表したもの。
色の心理効果:赤やオレンジなどの色は近くにあるように感じ(色彩遠近法)、かつ暖かく感じる(暖色)の特徴がある。反対に、青系の色は遠くにあるように感じ、冷たい印象(寒色)。
また補色調和と言って、青と赤(オレンジ)などの関係がまさにこれ。お互いを引き立て合う効果があり、目を引く色の組み合わせになる。
反対に、同系統の色味(青・緑・紫など)を組み合わせることで、まとまりのある調和の取れた、落ち着きのある画面にすることも出来る。
明度
こちらは明るさの度合いですね。明度が高いと明るくなり、低いと暗くなります。
明度の心理効果:明るいほど軽く、柔らかく膨張しているように感じる。暗いほど固く、重く小さく感じる。
またイラスト制作において明度コントロールは重要で、明度がしっかりと調整されたイラストはみやすくより魅力的に見える。例えば背景などを暗くし、キャラクターを明るくすることでキャラクターを目立たせるなど。
彩度
これは色味の強さや鮮やかさの度合いのこと。高ければより鮮やかに、低ければくすんだ色になります。
彩度の心理効果:サイドが高くなると、よりインパクトを感じる。力強い印象に。
用途としては目立たせたいものに彩度の高い色を置くなど。インパクトが強くなるので、アクセントに使ったりもする。
なぜこの基本的な説明をするかというと、自分の作品のテーマに沿って配色を決める際に、この知識が必要になるからです。
上記でも述べたように、色味によって受ける印象って多く変わるんですよね。なのでそれらの知識を使ってテーマに合う色を選択する事が重要。
※上記の説明はあくまで簡単なものです。詳しく知りたい方は、別記事「色選びに迷ったらコレ!明度の重要性と色相・彩度の心理的効果とは!?」で解説しておりますので、よかったらどうぞ!
好きなイラスト・写真を観察(分析)する
ここからは配色のセンスの磨き方です。これは地道な作業にはなりますが、色に対する感度が上がり配色のバランス感覚が養われていきます。
やり方としてイラストや写真を分析することですが、ここで注意点として必ず数値化して明確にしてください。
どういうことかと言うと、自分が観察してみて「おそらくこういった色味だろうな」と感じたとします。その後に実際の色味はどうなのかを明確にせず、あいまいなまま放置してしまうと、いつまで立っても自分の感覚のズレが修正されないからです。
必ず分析をしたら、その推測がどれくらいあっているのかをアプリやサイトを使って確かめるようにしましょう!
ちなみに僕は普段から分析をよくするのですが、そうした観察を習慣化させる前と後のイラストを比較してみると色のバランスが良くなったと感じています。↓(僕が描いたもの)
おすすめのアプリ・サイト
僕が普段からお世話になっているアプリと、僕はまだ使ったことがないのですがかなり便利そうなサイトをご紹介しておきます。
AdobeCaptchaは、イラストや写真のデータからどんな色を使っているのか、手軽に確認できるアプリです。気になるイラストや写真をアプリで撮るだけで、色を手軽に分析できます。
※僕はよく好きなイラストレーターさんのイラストの観察するために、このアプリを使ってどんな色が使われているのか、どんな配色パターンなのかを分析しています。
配色の見本帳は、サイト内で好きな画像をスキャンする事によって、そのイラストや写真にどんな色が使われているのか、配色や比率まで自動で分析してくれるようです。
そしてその結果を元に、自分の推測とのズレを確かめたり、好きだと感じるイラストや写真はどんな色を使って、どんな配色パターンなのか、その比率などを確かめる。すると自分の作品制作する際にも活かしていきやすくなる。
配色が苦手な人は、まずは「先人たちの知恵」を効果的に取り入れよう!
いきなり自分なりの配色を考えたりするのは大変ですし、感覚だけでやってしまうと、どうしても「あれ?なんかおかしい」ってことになりがちなので、
今回ご紹介した内容を参考にしながらぜひ、真似をしながら効率よく自分の作品に活かしてみてください。
- 配色が苦手な人や面倒な人は、本やサイトの配色パターンを取り入れてみる!
- 色彩感覚を学ぶには、好きなイラストや写真を分析し、感覚のズレや好きな配色パターン・比率を知ること!
※補足としてイラストレーターさんの中には、特定の配色パターンを駆使して作品を制作されている方もいらっしゃるので、そうした自分なりの配色の個性を見つけるという点でも、上記の方法はおすすめです。
また、がっつり色彩感覚を鍛えたいという方向けに、デジタルのペイントソフトを使った色彩感覚トレーニングについて別の記事にて解説しておりますので、そちらも参考にしてみてください。