ジェスチャードローイングを学ぶ上でおすすめの本が知りたい!
今の時代インターネットを使えばある程度情報を集めることができます。
しかし情報の正確さや、そもそも初心者で何を学べばいいのかよく分からない状態で調べても、調べること自体に時間がかかってしまったり、結局自己流になってしまいなかなか上手くならないといった問題があると思います。
そこで今回ジェスチャードローイングを学ぶ上で僕がおすすめする二つの本をご紹介します。
本を買うメリットは二つ、
- ジェスチャードローイングを基礎から学べる
- 自分なりのやり方ではなく実際に活躍しているプロのノウハウを学ぶことができる
- 書籍の場合、様々な人のチェックが入るため情報の精度が高い可能性が高い(例外もあり)
結論を言うとこうした書籍を基盤として学び、分からない部分があればネットなどの情報をプラスしてその部分を補ってあげる。そうした使い方がいいのではないかと思います。
またジェスチャードローイングを学ぶことで、人物やキャラクターを書く上で重要なポイントを理解することができます。するとあなたの書いているドローイングやキャラクターなど、今よりもっと魅力的により良く見せることができるようになります。
これからご紹介する書籍は、上記のアーティストの方もおすすめされていた本になっておりますので、興味のある方はぜひご覧ください。
前書き:ジェスチャードローイングとは?
普通のドローイングと何が違うのかと感じる方もいらっしゃると思います。ジェスチャーと付いている通り、動きや動作を絵で表現する。つまり人体の形を捉えるのではなく、その人物がしていることや感じ取った印象をイラストで捉えるのがこのドローイングの目的なんです。
特徴として、シンプルな線やシェイプに単純化して捉える。アナトミーやパースなどの難しいことはひとまず忘れて、まずは自分が感じたアイデア(印象)を簡単な線などを使って表現する。
だから、顔のパーツの位置は?とか体の形状はどうか?などは二の次。
ジェスチャー: ことばによる表現の補助として、何らかの感情や意志を表現したり相手に伝達したりする身振り、手振り、表情など。
コトバンク
例えば街を歩いていると色んな人とすれ違います。パッと見たときに、この人楽しそうだなとか疲れてそうだなって感じたことありませんか?
そうした見た瞬間に感じたこと(アイデア)をどうすればドローイングで表現できるのかを追求したドローイング。
自分が感じたことや伝えたいことを思いのままに絵にできたら、きっと楽しくて仕方がないと思います。それにジェスチャーと言う名の通り、他の人が見てもその絵の伝えたいことや感動が伝わるとしたら、やって損はないと思います。なぜなら、せっかく絵を描いてもさっぱり伝わらなかったら悲しいですよね。
つまり、このドローイングを極めると「感じたこと」をシンプルな線やシェイプを使って表現でき、かつそれが見る人にダイレクトに伝わる。そしてなにより、形や正確さに囚われること無く、自分が感じたことを素直に表現できるようになる。
やってみると分かりますが、自分が感じたことが単純な線やシェイプで表現できるとすごく気持ちいいし楽しいです!
ジェスチャードローイングとは「アイデアスケッチ」
これから紹介する書籍を参考に、ぜひ取り組んでみてください。
僕がおすすめするジェスチャードローイング本2選
- リズムとフォース(マイケル・マテジ):ドローイングが硬くなってしまう方向け
- 人体の描き方(マイケル・ハンプトン):人体を簡略化して描くやり方を知りたい方向け
上記のとおりです。
ドローイングの概念や考え方などはどちらでも学ぶことができます。ただ個人的には「リズムとフォース」のほうがドローイングを楽しむという要素が強いと感じます。※作例は「リズムとフォース」が多い
それでは本の特徴や使い方、本を買うメリット・デメリットを見ていきましょう!
リズムとフォース:特徴
どうすれば気持ちよく描けるのか、伸びやかで動きのあるドローイングを描くにはどうすればいいのか? で悩んでいる方にはお勧めの本です。
とにかく、形にとらわれずに描きたい!もっとダイナミックに描きたい人にもってこいかと。
- 著者のドローイングの作例が多い
- 階層構造(どんな順番でドローイングを描いていくのか)の解説
- ライン(線)に対する捉え方と、どう描けば良いのかの解説
- リズム(体のバランス)をどう捉えると分かりやすいのか(例えを使った説明)
- 形にとらわれずに描くためのブラインドフォースドローイングの解説
僕自身はリズムとフォースから入りました。根本的な学びに対する姿勢からラインの使い方などは分かりやすく、例えを使った表現など理解しやすい点もあります。
「リズムとフォース」の肝として、そのままの形を描くのではなく、印象や感動を伝える。そのためのドローイングだと解説しています。
本の使い方
著者について
マイケル・マテジ(Michael Mattesi):プロダクションアーティストおよびインストラクターとして、20 年を超える実績をもつ。本書は、出版されるとただちに、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの推薦図書リストに加えられた。
Amazon著者についてより抜粋
人体の描き方:特徴
一方「人体の描き方」はかなり情報量が多くコレ一冊で、ドローイングに関してはある程度理解できる内容となっていると思います。
- 「C・S・I]を使ったラインの解説
- 人体のランドマークがどこにあるのかの解説
- ラッピングラインの解説
- 重力(バランス)の解説
- 各パーツごとにどう捉えればよいかの解説
各パーツごとに捉え方や扱い方が載ってあるので、ここのパーツどう描いていいか分からない!ってときにはあると便利かなと。
CSI はジェスチャードローイングを描く際に便利な考え方です。人体はこの3つラインを使って表現することができます。つまりそれらを組み合わせることで自由自在に体を描くことができる。
ドローイングに関する情報が載ってあるので、これ一冊でドローイングに関しては十分何じゃないかと思うくらいです、それと 何度も言っていますが、人体をどう捉えているのか簡略化しているのかを学ぶことができるのは非常に有用です。
本の使い方
著者について
マイケル・ハンプトン(Michael Hampton)は、人物のドローイング、アナトミー、2次元のデザインの分野でアーティストとして、また、熟練の指導者として活躍。また、アート・センター・カレッジ・オブ・デザインにおいて美術学士(BFA、イラストレーション)、クレアモント大学院大学においては美術修士(MFA、芸術)、カリフォルニア大学リバーサイド校では学芸修士(MA、美術史)を授与。
Amazon著者についてより抜粋
買うメリット・デメリット
こちらでは、本の購入を迷っている方に向けてそれぞれのメリット・デメリットを簡単に紹介!
個人的な見解ですが、参考にしていただければと思います。
リズムとフォース
文章自体に抽象的な表現が時折見られ、少し理解するのに時間がかかる(とっつきにくさが人によってはあるかもしれない)
- ドローイングが楽しくないと感じている人にとっては目からウロコの情報が得られる
- 形や見栄えなどの気にしすぎを修正できる
- より躍動感のある魅力的な人物やキャラクターを描く方法を学べる
人体の描き方
全身の描き方を網羅している分、細かな情報例えば各パーツの様々な角度による見え方の参考例が少ない
- 人物を書く上で必要な知識のほとんどをこの本から学ぶことができる(個人的な見解)
- ドローイングする上で重要な人体の各パーツの簡略化もしっかり学ぶことができる
また両方の書籍に言えることなんですが、こういう人は読むことをおすすめします。
- ジェスチャードローイング初心者の人
- 本質的な部分を学び効率的に練習したい人
価格について
本の価格は2冊とも4000円台と、他のドローイング書籍よりも少しお高めのお値段ですが、 ネットで調べる労力や時間を考えるとその価値は十分にあるのではと感じます。また本気でジェスチャードローイングを学びたいと考えている方にとっては、学んでほしい知識がたくさん載っているので、僕個人的には決して高くないと思います。
※更新情報(2021年11月25日):最近発売された「リズムとフォース」第3版では、10周年記念として30本に及ぶ字幕付き動画がついてくるとのこと。書籍だけではわかりにくいという方にもありがたい話です。
結論:効率的に学びたいなら持っておいて損はなし!
以上、ドローイングに関する2つの本をまとめてみました。こうしたドローイングは感覚的な要素があるため、どうしてもネットなどの情報を拾い集めて勉強するのは非常に大変だと思います。
なので、しっかり勉強したいと思うなら書籍はあったほうが上達は早いと思います。
「リズムとフォース」は20年以上の実績を持つインストラクターの方が書いたものになりますし、「人体の描き方」はパルミーや京都芸術大学で教鞭を取っている、砂糖ふくろう先生もオススメされていました。
どちらも自分の作品へ落とし込んでいくまでにはそれなりに時間が必要となってきますが、今後絵描きとしてやっていくなら持っておいて損はないと思います。